カフェオレと方眼紙

ちょーけっしゃ短歌ユニット「うるしのこ」が短歌よみます

2016-01-01から1年間の記事一覧

第2回 口ずさんじゃう、だって短歌なんだもん(3)Re:ちえこさま

​のつ ちえこ さま台風は過ぎたのに、またも雨。 思い出というわけではないのだけれど、台風の日には、危険と隣り合わせの解放感があって、傘という防具なんて放棄して積極的に自然に降伏してしまいたいという気持がわいてくるんだよね。 ​ただし荷物と靴さ…

第2回 口ずさんじゃう、だって短歌なんだもん(3)To.うるしはらさま

漆原 涼さまうるしはらさーん、また台風だよー!! 私の一番の台風の思い出は、中学生の時に通学路にしていた池が湖くらい大きい某O公園の上空を、カラスが羽を広げたまま風に身を任せてグルグル回転してとんでいたこと。ここでいう回転とはローリングストー…

第2回 口ずさんじゃう、だって短歌なんだもん(2)Re:うるしはらさま

漆原 涼さまうるしはらさん、お手紙ありがとう。お手紙を書くと雨が降り、お返事を書くと晴れる。わたしたちの文通はどうやら天候を司る力を得たんじゃなかろうか。 そんな女心と秋の空です。でも空に浮かぶ鰯雲より、秋刀魚の塩焼きが食べたい乙女心ではあ…

第2回 口ずさんじゃう、だって短歌なんだもん(2)To.ちえこさま

​のつ ちえこ さまいま、雷鳴と一緒に降り出した雨のせいで喫茶店から出られなくなってしまいました。ひどい雨の夜。夏だけじゃなく秋だって驟雨で驚かしにかかっているみたい。 でも、雨の夜は窓の外の雨がひどければひどいほどおだやかな心持ちになれるか…

第2回 口ずさんじゃう、だって短歌なんだもん(1)Re:ちえこさま

のつ ちえこ さまお手紙、ありがとう( 電子的な媒体だけれど、これはお手紙*1とよびたい)。 晴れ女のちえこさんがお手紙をくれたから、今日はさらりとした晴れです。台風も無事にすぎてよかった。いまは、すこしひやりとしている風が吹いていて、着慣れた…

第2回 口ずさんじゃう、だって短歌なんだもん(1)To.漆原さま

漆原 涼さま お元気ですか? 台風が狙ったように週末に来ますね。ちなみにこれを書いている時点、終日ざざぶりの雨でした。窓から外みただけで、あ、これは無理だなって出かけるのは早々に諦めてしまうような。だからといって家にこもって何かするというわけ…

第2回 口ずさんじゃう、だって短歌なんだもん・序

ということで、第2回のテーマは「口ずさみたくなる歌」。第1回・その(3)にて短歌の韻律性の話をしてみましたが、口にしたくなる心地よさから始まって、歌についてもっともっと掘り下げていきたい!ということで、口ずさみたくなる短歌をそれぞれ3首を…

個人評・漆原(2)身体感覚によって共有される文脈ー生田亜々子の短歌から

次に urushinoco.hatenablog.com の個人評(漆原)です。 短歌とは、上の句と下の句からなる断絶の詩型である、とおもうことがある。 たとえば、こんな歌。 乳房まで湯に浸かりおり信じたいから測らない水深がある 生田亜々子「生きているものだけに降る雨」…

個人評・のつ(1)きちんと、だなんて、途方もないね

持ち寄った歌について個人による一首評も書きましたので、掲載します。まずは urushinoco.hatenablog.com の一首評(のつ)より 当時歌集を読んで、このように生きたい。と思って、ノートに書き写した歌。恩を返すように、ということは恩をかけてくれたその…

第1回 歌人もすなる一首評というのをひとまずしてみんとてするなり(6)

今月にわたりお送りしておりました第1回の最終回です!最後まで駆け抜けます!目次 取り上げた短歌 1.初読感想「イメージの立ち上がりから広がりへ」 2.形容詞をどこまで使う? 3.歌の器 4.歴史性と新しさ、そして私たちはどこへ行くのか?! 今回の短歌・…

第1回 歌人もすなる一首評というのをひとまずしてみんとてするなり(5)

目次 取り上げた短歌 1.初読感想「変な歌」 2.考える私と食べる私 2.近代の私と現代の私 取り上げた短歌 Jeわれ penseおもう, doncゆえに Jeわれ suisあり ルマンドを食べる おいしい すごく とおもう 1.初読感想「変な歌」 (の)今回はちょっと不思議感あ…

第1回 歌人もすなる一首評というのをひとまずしてみんとてするなり(4)

無事、第1回その4を迎え、折り返し地点にやってまいりました! みなさんにじわじわ楽しさが伝えられたと思います! 今回は言葉が現実にもたらす衝撃についてのトークです!目次 取り上げた短歌 1. 初読印象「穏やかさをまとった凄み」 2. 言葉が連れてくる…

第1回 歌人もすなる一首評というのをひとまずしてみんとてするなり(3)

さて、3首目に来まして、まさかの1首をはさみます。 (の)さて、どうしましょうか。これ行ってみましょうか 朝ぼらけ有明の月とみるまでに吉野の里にふれる白雪 (う)古典きた!笑 なぜまたこの歌を (の)多分わたしが、この「5・7・5・7・7」とい…

第1回 歌人もすなる一首評というのをひとまずしてみんとてするなり(2)

続きまして2首目。(う)次はこの歌で行ってみたいと思います! 乳房まで湯に浸かりおり信じたいから測らない水深がある (う)中城ふみ子賞佳作をとった連作*1の1首からです(の)うるしはらさん的にはどこに惹かれる感じなん?(う)そうね、最近上の句*…

第1回 歌人もすなる一首評というのをひとまずしてみんとてするなり(1)

みなさん改めましてこんにちは! ちょーけっしゃ短歌ユニット「うるしのこ」です。日ごろ短歌を楽しんでいる二人なのですが、のつの呼びかけでユニット組んでは見たものの、なにをすればいいのだろう??ということになり、とりあえず某日某所にて第1回ガー…

第0回 はじめまして!(短歌でいうところの、三十字目らへんのはなし)

改めましてみなさん初めまして! 私たち、ちょーけっしゃ*1短歌*2ガールズ*3ユニット「うるしのこ」ののつちえこと!漆原涼です!以前、別の機会*4で顔見知りだった私たちは、「短歌」をきっかけに*5再会を果たし、またまた何のご縁かこのたびユニットを組ん…